独自路線行くプレミアム 新型CTS × 岡崎五朗!
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:中野 英幸
キャデラックといえばアメリカの老舗高級車ブランドの定番。いまでこそドイツのプレミアムブランドが世界を席巻しているが、かつてのキャデラックは多くの人から羨望のまなざしを浴びるきらびやかな存在だった。ためしに周囲にいる年配の方に聞いてみるといい。その人がエルビス世代ならかなりの確率で「キャデラックはメルセデスと同等かそれ以上のブランド」という答えが返ってくるはずだ。
しかしそれは同時にキャデラックの悩みでもある。ユーザーの平均年齢がグングン上がっているのだ。50歳代なら「高級車なんだから当然だよね」と言えるが、60歳代にまで達するとさすがに「そのうち買ってくれる人がいなくなるんじゃないか」という不安が生じてくる。実際、アメリカでもキャデラック=リタイヤしてフロリダに移り住んだお年寄りが乗るクルマというイメージすら生じつつあるという。
実は同じ悩みをもつクルマが日本にもいる。クラウンだ。だからクラウンは、ユーザーの平均年齢を引き下げるためスポーティーなアスリートを出したり、先代で「ゼロクラウン」をうたったりして若い層を取り込もうとしてきた。その結果、クラウンユーザーの平均年齢はロイヤルシリーズで62歳、アスリートは52歳まで下がり、なおかつアスリートの比率が上がったため、クラウン全体でも60歳代を切ったという。
話をキャデラックに戻そう。CTSに与えられた使命は、キャデラックという伝統のブランドに染みついた古典的イメージを一新し、若々しさを取り戻すことにある。フルモデルチェンジによって2代目へと進化した新型CTSに触れてみて、彼らの狙いがそうとう高い次元で達成されていると確信した。その実力は予想以上。新型CTSなら、BMWやメルセデスとどっちにするか真剣に悩む気になる。
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